よりよく生きたい

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よりよく生きたい

最近の若者は夢がない…………と思いきや意外とあるんだな

DREAM

 
最近の子どもたちには、若者には、夢がない。
目標がない。
理想がない。
目的もなく大学へ進学する。
就職活動の時に苦労をする。
 
そんな指摘がなされて久しい。
しかし本当に、若者には夢も理想もないのだろうか?
 
今回は、日頃から公立私立を問わず、さまざま高校に出入りする進路相談屋さんの視点から、今日の子どもたちの夢について考えてみる。
 

 

高校生の進路相談屋さんの実感

確かに指摘通り、何物にも興味を持たない子もいる。

「何をしたいのかわからない」、「仕事にしたいようなことはない」という声は多い。
年頃ゆえ、本当は夢があっても、周囲に語ることをしないだけの場合も勿論ある。

あぁ?ユメ?しらねーよそんなもん(みたいな)

ありがち思春期ですね


しかし意外にも、
やりたいことがありすぎて決められない」もまた、よく耳にする悩み
なのだ。
 
進路希望調査を取ると
第一希望:専門学校・エンターテイメント(音楽)/第二希望:公務員」とか、
第一希望:大学・動物看護/第二希望:専門学校・調理師」とか
「えっ、一体何がしたいの?」という組み合わせで記入してくる子が必ずいる。

紙上で見るだけでは不可解だ。
しかし本人に会って話を聞いてみると、その正体はごく純粋な「全部やりたい」なのだ。
 
動物の命を救いたい。獣医さんは無理かもしれないから動物の看護師さん。でも、将来は自分でカフェも開いてみたい。決められないんです」という具合だ。
つまり、子どもたちにも夢はある。

ただし一筋縄の助言で済まないようなケースが多々あるのだ。
 

何が問題なのか

 このような話を聞くと、多くの大人が「高校生にもなってそんなこと言って…」とか、「こっちの方が収入安定するよ」などと言う。あるいは、「どっちがいいか、働き方とか待遇を調べてもう一回考えておいで」と言う。

 
進みたい道が一本道である場合は簡単だ。
医者になりたい。
〇〇大学に入りたい。
××の資格を取りたい。
それならばやるべきことは決まっている。
 
しかし、やりたいこと・目指したいものが複数ある場合。
ともすれば何を捨てて何を取るか」という話になりがちである。
勉強か部活か」、「出産か昇進か」のように。

 でもなぜ、その両方を取る方法がないって最初から決めつける?
 
思うに、この「どちらか片方状態」を脱するのに必要なことは2つある。
 
ひとつは内省
本当にやりたいこと、自分がどうしたいのかを振り返ることだ。出産と昇進のたとえは別として、中高生の場合、思考が幼くて単純に「あれもこれも好き~!」となっているケースもある。
再度考えてもらった結果、「やっぱり職業にはしなくていいな」と思い直すこともある。
 
もうひとつは情報だ。
考えてもやはり捨てきれない目標が複数ある場合、ではそれをすべて叶えてしまう手はあるか?という問いになる。
進路相談屋さんとしてはここでとっておきの助言をしたいところだ。
しかし問題は、具体的なアドバイスが非常に難しいということだ。
 
「公務員になりたい」と言われたらば、公務員の職種や試験対策について伝えることはできる。
しかし、「公務員やりながら趣味でDTMして、ゆくゆくは音楽一本で食べていって趣味の爬虫類も飼えるくらいの安定した収入がほしいんですけど、できると思いますか?」と聞かれたら
本当に残念なことに、はいともいいえとも言えない。

(ほんとにこういう相談してきた子がいたんですわ)

 
彼が一生懸命考えた結果打ち立てた目標ならば、今更何かを取捨選択させるのは野暮だ。
この場合、調べて伝えられる情報にも限界がある。

どこかに爬虫類とDTM好きの公務員いないかなぁ……

どこにいけば出会えるのかも、わかりませんね…… 

さて、一体どうすれば思い描く生き方ができるのか。


繰り返すが、目指す職業がひとつである場合「なるには」のルートは検索すれば一瞬で出てくる。
一方で、あれもこれもやりたいという場合に、果たして本当に可能なのか?具体的にどうすればいいのか?ということを検討するための材料は非常に少ない。
 
第一にロールモデルがない。
第二に、〇〇に興味があるならこんな働き方もあるよとか、サークルや団体があるよとか。××の方面から関わることもできるよとか。教育現場は、そんな柔軟な思考と情報に事欠いている。
検討材料がないゆえに「なんか難しそうだなぁ」、「厳しそうだなぁ」という大人のイメージだけで「やめておいたほうがいいよ」と諭すのは、進路相談にすらならない。
 

たくさんの大人に出会えるといい

ロールモデルの不在。情報の不足。
保護者と担任の先生に「そんなの無理だぞ」と言われたら、もう無理なような気がしてしまう。
 
本当にやりたいなら諦めるな!がむしゃらに頑張れ!という意見もわからなくはない。
それで頑張れる人は頑張ればいい。
しかし、人間は否定され続けると自信を失うようにできている。誰もが周囲に耳を貸さず突っ走れるわけではない。
 
おもしろい働き方をしている。やりたいことを全て叶えている。
失敗も成功も、いろいろな体験談を話してくれる学校では教えてくれない働き方や、夢に向かうためのヒントを教えてくれる。

そんな大人に、たくさん出会えたらいいのにと思う。
 
学校以外にも教育の場があるといい。
もしくは学校を地域社会の拠点として、保護者や地域住民、民間企業の人間など、さまざまな大人が出入りするようになるといい。
 
本当はやりたいことがあったのに、大人に反対され、無理だと言われ、自分でも気が付かないうちに大事な夢を諦めてしまっている。
 
なのに、お前は何がしたいんだ、将来どうするんだなんて聞いてくる。
 

周りの大人が!諦めさせたんじゃ!!ないのかァ!!

具体的なアドバイスはなかなか難しいかもしれない、でも……

本人の意志を尊重できる大人でありたいですね 



やっと生き方と働き方が自由に選べる時代になった。
ほしい情報だっていつだって手に入る、会いたい人に連絡とって会いに行ける時代になったんだ。

だからこそ、子どもたちの大切な夢を潰さないで。

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